医療ダイエットが保険適用になる事例とは？治療法や費用についても徹底解説！

過度な食事制限や運動をせず、専門家の指導のもとで行われる医療ダイエットは安全で効果的な方法として注目されています。

しかし、どのような治療法が保険適用されるのか、費用はどのくらいかかるのか気になる方も多いでしょう。

一般的に、医療ダイエットは保険診療と自由診療の両方が存在し、治療法や費用が異なります。

本記事では、医療ダイエットの保険適用事例や治療法、費用について詳しく解説します。

自分に合った治療法と費用を把握し、安心して医療ダイエットに取り組んでみてください。

医療ダイエットとは

医療ダイエットは医師の指導のもとで行われる健康的なダイエット方法で、体脂肪を減らすことを目的としています。

保険診療と自由診療の両方が存在し、自身に合った治療法を選ぶことが可能です。

現在の美容医療業界では安全で手軽な治療法が増えており、患者のニーズに応えられる選択肢が豊富です。

肥満と健康の関係とは

肥満の指標となるBMIでは世界的に30以上の場合だと肥満としていますが、日本人の場合25以上を肥満と判定します。

肥満は数多くの病気にかかりやすいリスクがあり、近年注目されているのは腹腔内の腸周囲に脂肪が過剰に蓄積する内臓脂肪型肥満です。

へその高さでの腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上の場合、内臓脂肪型肥満と診断されます。

肥満は高血圧や脂質異常症、心筋梗塞や脳梗塞などの病気になりやすいため、健康を維持するためにも太り過ぎには注意が必要です。

医師による指導のもとで無理なく痩せやすい

医療ダイエットは医師や専門スタッフが、個々の状況に応じた指導をおこないます。

無理のない方法で痩せやすく、健康的な体重減少を目指すことが可能です。

過度な食事制限や運動によるリスクを避けることが可能で、リバウンドの可能性も低くなります。

また、栄養指導や運動指導が含まれることが多く、患者は健康的な生活習慣を身に付けることが可能です。

保険診療と自由診療の両方がある

医療ダイエットには保険診療と自由診療の両方が存在します。

保険診療は国が定めた保険適用条件に該当する場合に受けられる治療で、自己負担が比較的低いです。

一方で、自由診療は保険が適用されず、全額自己負担となる治療ですが、より幅広い選択肢があります。

ただし、医療ダイエットにもデメリットが存在し、費用が高額になることや施術や薬の副作用が起こる可能性があります。

そのため、信頼できる医療機関を選ぶことが重要です。

医療ダイエットで保険適用になる事例とは

医療ダイエットは保険適用される事例が存在します。

具体的な事例や条件について詳しく解説します。

食欲抑制剤の処方

食欲抑制剤は肥満が関連する病気（糖尿病、脂質異常症、高血圧など）を患っている場合や、BMIが25以上で内臓脂肪が蓄積している場合など、一定の条件を満たす方が対象です。

• サノレックス
• リデュース
• リポドリン

サノレックスやリデュースは中枢神経系に作用し、満腹感を早めることで食事量を自然に減らす効果があります。

リポドリンは血流を良くして、脂肪燃焼をサポートする成分を配合しています。

ただし、食欲抑制剤やサプリメントのみに頼らず、バランスのよい食生活や適度な運動を続けることが、健康的なダイエットには欠かせません。

医師や栄養士と密に連携し、自身に適した治療プランを立てて取り組むことが大切です。

漢方薬の処方

漢方薬も保険適用の対象となる場合があります。肥満に関連する症状や体質に合わせた漢方薬が処方され、体質改善や代謝の促進が期待できます。

• 防風通聖散：お腹周りの脂肪に効果が期待できる
• 防已黄耆湯：水太りのような肥満に対して効果が期待できる
• 大柴胡湯：更年期太りや中年太りに効果が期待できる
• 加味逍遙散：イライラした気持ちを落ち着かせ、食欲の緩和が期待できる
• 桃核承気湯：生理に伴う症状や食欲亢進を緩和する効果がある

漢方薬の処方は患者の体質や症状にあわせてカスタマイズされるため、副作用が少なく、長期的な治療にも適しています。

根本的な改善を目指すため、短期間での劇的な効果を求めるのではなく、じっくりと取り組むことが大切です。

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術は肥満手術の一つで、胃の一部を切除し、胃の容量を減らすことで食事量を制限する治療法です。

保険診療による腹腔鏡下スリーブ状胃切除術の適応は、BMIが35以上の高度肥満で、食事制限や運動療法のみでは効果が得られない場合などが該当します。

先進医療による腹腔鏡下スリーブ状胃切除術および十二指腸空腸バイパス術（スリーブバイパス術）は、糖尿病を伴ったBMIが35以上の肥満症で、6か月以上の内科的治療によっても十分な効果が得られない場合に適応されます。

減量手術の術式はスリーブ状胃切除術、スリーブバイパス術、胃バイパス術があります。

それぞれの術式によって、減量効果や糖尿病改善効果が異なります。

医療ダイエットで実施される治療方法

医療ダイエットにはさまざまな治療方法が用いられます。

主な治療方法やその特徴について解説するため、医療ダイエットに興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

プログラム指導

プログラム指導は医師や管理栄養士が患者の個々の状況に応じて、カスタマイズされたプログラムを提供し、無理のないペースで体重を減らす治療方法です。

プログラム指導によって患者は健康的な生活習慣を獲得し、短期的な減量から長期的な体質改善まで、目標に合わせたサポートを受けられます。

また、定期的なカウンセリングや検診を通じて、プログラムの進行状況や効果を確認し、必要に応じて内容を調整します。

プログラムを通じて、患者は自己管理能力を向上させ健康的な生活習慣を持続的に維持できるようになります。

管理栄養士による食事指導

管理栄養士による食事指導は患者が健康的な食生活を送りながら、効果的に体重を減らすためのサポートをします。

管理栄養士は患者の年齢、性別、体重、活動量、健康状態などに応じて、最適な食事プランを作成し、食事療法を指導します。

さらに、栄養豊富でおいしいレシピの提案や、食材選びのアドバイスをおこない、患者が楽しくダイエットに取り組めるようにサポートします。

適切な食事指導を受けることで、患者は健康的な食生活を身につけることが可能で、リバウンドのリスクも低減されます。

専門家による運動指導

専門家による運動指導は患者の年齢、性別、体力、健康状態、運動経験などを考慮し、個別にカスタマイズされたプログラム提供が特徴です。

運動指導の第一歩は運動強度や時間を調整し、無理なく継続できることです。

患者は運動に対する恐怖心や抵抗感を克服し、楽しく続けられるようになります。

また、運動の効果を最大限に引き出すために、専門家は患者に適した運動種目を選択し、正しいフォームや呼吸法を教えます。

内服薬による治療

内服薬は症状の改善やダイエットの効果をサポートするために用いられます。

医師が処方する内服薬により、食欲を抑制や脂肪の吸収を減らすことが可能です。

ただし、副作用や適用条件があるため、医師と相談のうえで処方されることが必要です。

脂肪吸引

脂肪吸引は余分な皮下脂肪を取り除く手術で、短期間で確実な効果を得られる美容整形手術の一つです。

部位によっては数か月かけたダイエットでは効果が得られない脂肪も、一度の施術で確実に除去できます。

主に顔、二の腕、太もも、お腹など、患者の希望する部位で行われます。

ダイエットによって脂肪細胞の大きさを小さくするのみでなく、脂肪細胞自体を取り除くため、以前のように脂肪が蓄積されにくくなります。

ただし、ある程度の費用がかかることや、手術中の痛みや術後のダウンタイム、まれに発生する死亡事故のリスクなども考慮する必要があります。

GLP-1ホルモン注射

GLP-1ホルモン注射は自然に存在する腸から分泌されるホルモンで、インスリン分泌を促進し、食欲を抑制し脂肪分解を促進する効果があります。

人によってGLP-1の分泌量が異なり、分泌量が多いと太りにくく痩せやすい体質になりますが、少ないと食欲が抑えられず太りやすくなります。

ダイエット注射（GLP-1）は1日1回自身で注射し、体質を改善して自然にダイエットを促進します。

GLP-1の補充で食欲が抑えられ、食事量が自然に減ります。

副作用として便秘や吐き気、胃のむかつき、下痢などがある場合がありますが、個人差があるため医師との相談が必要です。

医療ダイエットに向いている方

医療ダイエットは痩せたい方なら誰でも受診できるわけではなく、向き不向きがあります。

また、医療ダイエットが保険適用されるためには特定の条件がある場合があります。

BMI35以上で高度肥満に該当する方

BMIが35以上の高度肥満の方は糖尿病や高血圧、心疾患などの生活習慣病のリスクが高く、健康面での問題が懸念されます。

また、関節への負担や呼吸障害などの身体的な問題も生じることがあります。

医療ダイエットは医師や専門スタッフによる指導が行われるため、安全かつ効果的に体重を減らすことが可能です。

とくに、高度肥満の方は一般的なダイエット方法では効果が得られにくいことが多く、医療的なアプローチが求められます。

医療ダイエットでは患者の体質や状況にあわせて、最適な治療法が選択されます。

BMI25以上で肥満に関連する疾患のある方

BMIが25以上で糖尿病、脂質異常症、高血圧、睡眠時無呼吸症候群などの肥満に関連する疾患がある方は、医療ダイエットによって体重を減らすことで症状の改善が期待できます。

医療ダイエットは患者の個々の状況や体質に応じた適切な治療を提供し、疾患と共存しながら効果的に体重を減らすことが可能です。

一方で通常のダイエット方法では、個々の病状や体質に十分に配慮されないことがあり、健康状態を悪化させるリスクがあります。

医療ダイエットでは、まず医師による診断が行われ、患者の疾患や体質、生活習慣が詳細に把握されます。

そのうえで、患者に適した食事療法や運動療法、薬物療法などが選択されるため、疾患の疾患の進行を抑えつつ、健康的な体重減少が実現されます。

部分痩せしたい方

医療ダイエットは部分痩せを目指す方にも適したダイエット方法です。通常のダイエットでは全身的な減量が中心となります。

一方で、医療ダイエットでは患者の希望や体型にあわせて、特定部位に焦点を当てた治療が行われます。

たとえば、脂肪吸引や冷却療法（クールスカルプティング）などの医療機器を使用した治療があります。

特定の部位の脂肪細胞を減少させることで、部分痩せを実現します。

また、筋肉量を増やすことで形成される理想的なボディラインを目指すために、EMS（電気刺激）トレーニングやハイフ（高密度焦点式超音波）療法などが適用されることもあります。

医療ダイエットでは、食事療法や運動療法などの指導もあわせて行われ、総合的な健康改善がサポートされます。

太りにくい体質になりたい方

医療ダイエットは太りにくい体質を目指す方にも適した方法です。

従来のダイエットでは短期間の減量が中心であることが多いため、リバウンドのリスクが高いですが、医療ダイエットでは体質改善を重視しています。

医師や管理栄養士による食事指導や運動療法、また、必要に応じてホルモン補充療法や漢方薬を使用し、体内のバランスを整えることで、太りにくい体質へと導くことが可能です。

医療ダイエットを選ぶことで、根本的な体質改善をおこない、より健康的で持続可能なダイエットが実現できます。

医療ダイエットの費用相場

医療ダイエットの費用は保険適用の可否や治療法によって異なります。

保険適用の場合と適用外の場合の費用相場を解説します。

保険適用の場合

保険適用の場合、初診費用は2,000円〜1万円程度が一般的な目安です。

ただし、費用は医療機関によって異なるため、受診前に電話などで確認をおすすめします。

また、保険適用になるかわからない場合も、受診前に確認が重要です。

保険適用の医療ダイエットでは、専門の医師や管理栄養士から栄養指導や運動指導を受けることが可能です。

保険適用外の場合

保険適用外の場合、医療ダイエットの費用は大幅に上昇します。

たとえば、脂肪吸引手術の場合だと部位によって数十万円〜数百万円かかることがあります。

さらに、アフターケアや再手術が必要になった場合、追加費用が発生する場合もあります。

遺伝子検査やホルモン検査などの先進的な治療も、保険適用外となることが多いです。

自己負担が高い治療法を選択する場合、分割払いやクレジットカードでの支払いが可能な医療機関もあるため、事前に確認しておくと安心です。

医療ダイエットの診療の流れ

医療ダイエットの診療の流れは次のとおりです。

医療ダイエットを受診する際の参考にしてみてください。

1.問診

初めて医療ダイエットを受診する際には問診票を記入し、現在の体調や過去の病歴、ダイエットの経験などを医師に伝えます。

これにより、患者の状況やニーズを把握し、適切な治療法を提案するための基礎情報が整理されます。

2.診察

医師は問診の結果をもとに体重や身長を測定し、BMIを算出します。

また、肥満に関連する疾患の有無や内臓脂肪の蓄積状況を調べ、患者の健康状態を評価します。

3.血液検査・尿検査

血液検査や尿検査をおこない、糖尿病や脂質異常症などのリスクの有無を調べます。

検査結果をもとにして最適な治療法が決定され、患者にとって安全かつ効果的な治療プランが立てられます。

4.内臓脂肪の検査

内臓脂肪の蓄積状況を調べるために、超音波検査やCTスキャンなどの画像診断が行われることがあります。

これにより、内臓脂肪が健康に影響を与える可能性の有無を判断し、治療の優先順位を決定します。

5.治療法のアドバイス

検査結果をもとに医師が適切な治療法をアドバイスします。

治療法には食事指導、運動指導、内服薬、脂肪吸引、GLP-1ホルモン注射などがあります。

個々の状況に応じて選択され、患者と医師が協力して取り組むことが重要です。

適切なサポートとフォローアップにより、効果的なダイエットと健康維持が実現されます。

医療ダイエットに関するよくある質問

医療ダイエットはオンライン診療が可能なのか、検査を受けるために入院は必要なのかなど、疑問や不安を抱く方も多いでしょう。

最後に、医療ダイエットに関するよくある質問を紹介します。

オンラインで受診できますか？

オンラインで受診できるかどうかは、医療機関によって異なります。

最近では、オンライン診療が可能な医療機関も増えていますが、実際に受診できるかどうかは、事前に医療機関に問い合わせてみましょう。

何科を受診すればよいのですか？

医療ダイエットの保険診療は、主に内科で行われています。

肥満治療に関心がある場合は、まずは近くの内科クリニックや病院を受診して相談しましょう。

検査を受けるために入院は必要になりますか？

通常、医療ダイエットに関する検査は外来で行われるため、入院の必要はありません。

ただし、症状や治療法によっては入院が必要になる場合もあるため、医師の指示に従いましょう。

効果を実感するためには何度も通院する必要がありますか？

医療ダイエットの効果を実感するためには、定期的な通院が必要です。

治療法や患者の状況によって通院回数は異なりますが、医師の指導に従い、適切な治療の継続が大切です。

医療外来と異なる点はなんですか？

医療ダイエットは医師や専門家による指導のもとで行われる肥満治療です。

一般的なダイエット外来と異なり、保険適用が可能な治療法が提供されることが特徴です。

医師や管理栄養士、運動指導者など専門家による個別指導が行われるため、病状に応じた適切な治療が受けられることが利点です。

さらに、肥満に関連する疾患の予防や改善を目的とした治療が行われることが多いため、健康面での効果も期待できます。

まとめ

医療ダイエットで保険適用される事例、実施される治療方法、医療ダイエットに向いている方について解説しました。

個々の体質や目標に応じて最適な治療が選択されるため、BMIが高めで肥満に関連する疾患がある方や、部分痩せや太りにくい体質を目指す方にもおすすめです。

治療費用やリスクについても考慮しながら、信頼できる医療機関で専門家の意見を参考にして、ぜひ自身に適した医療ダイエットを検討してみてください。

※本記事の情報は2023年4月時点のものです。
※本記事は公開・修正時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。キャンペーンを含む最新情報は各サービスの公式サイトよりご確認ください。
※本記事で紹介しているサービス・商品に関するお問い合わせは、サービス・商品元に直接お問い合わせください。