感染症などの急性疾患を扱う一般外来とは別に、完全予約制の専門外来を設置しています。対象は下記のような発熱を伴わない慢性疾患です。ご希望の方は受診時にご相談ください。初診の方はまず、一般外来を受診していただきご相談の上、次回からのご予約となります。外部からのご予約はお取りできません。専門外来の対象の患者様でも、発熱や嘔吐など急性疾患にかかった場合は一般外来を受診してくださいますようお願いいたします。
便秘
便秘に悩むお子さんは増加していますが、たかが便秘されど便秘です。放置しておいた結果、入院を余儀なくされたお子さんや手術が必要な病気(ヒルシュスプルング病)が隠れていたことも時に経験いたします。ただ漠然と下剤や浣腸を行うのではなく、手術が必要な病気ではないのかという視点から診ていくことが重要です。非常にまれな小児外科の代表的疾患ですが、本疾患が疑われるお子さんには検査をおすすめしています。とはいえ、多くは原因不明の便秘ですので、排便習慣の確立や腸内環境の改善を目指した治療が中心です。そのために、腹部レントゲンや超音波検査により宿便の状態を確認しながらお子さんの状態にあった治療をすすめます。
気管支喘息
診断および経過観察ではただ投薬を続けるだけではなく、小児喘息コントロールテスト(JPAC: Japanese Pediatric Asthma Control Program)を用いてお子様ひとりひとりの喘息専用カルテを作成し、お子様の状態に合わせた治療をすすめます。また、症状だけではわかりにくい気道の炎症の状態(喘息の勢い)を調べる検査を定期的に行うことで診断や治療効果の確認を行っています。重症の方は、小児アレルギー専門施設へご紹介いたします。
吐く息に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測定して気道の炎症の状態を評価します。炎症の程度が分かれば、それに応じて薬の投与の是非、投与量の調整が可能となります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は予防が一番重要であり、特に新生児期からの保湿剤による皮膚の防御が重要であることがわかってきました。生後すぐより予防を開始しましょう。お子さんの皮膚はうすいためバリア機能が破たんしやすく皮膚炎ができやすいのです。治療は最新の診療ガイドラインに沿って行います。
蕁麻疹・花粉症・食物アレルギー
蕁麻疹の初期対応から原因検索の血液検査などを行っています。花粉症については、原因検索はもちろん、ひとりひとりの症状や日常生活を重視した投薬を行っています。複雑多様化する食物アレルギーに関しては、食物負荷試験が必要なことも多く、小児アレルギーを専門とする病院と連携して診療を行っています。
小児外科疾患
小児外科疾患には体表から内臓に様々な疾患がありますが、その専門施設の数が少なく、通院困難というお声をよく聞きます。手術が必要な場合はそれら専門施設で行うしかありませんが、手術が必要かどうか、手術が必要と言われたけど詳しく聞けなかったなど気軽にご相談いただけます。専門施設へのご紹介も行いますので、専門施設への中継点としてお気軽にご利用ください。もちろん、怪我や火傷の処置も可能です。
小児腎泌尿器疾患
- 陰嚢水腫、停留精巣、移動性精巣の診断と手術適応の判断
- 夜尿症の生活指導と内服治療
- 包茎に対する軟膏治療
- 学校検尿で異常を指摘された など
各種相談
緊急性はないものの慢性的にお困りの様々な問題に対してご相談を賜り、必要に応じて専門医への紹介を行っています。スタッフに保健師がいるため、健康保健相談のほかに行政・他施設との連携も円滑に行えます。