小中高校生のお子さんに、こんな様子はありませんか?
「朝になると起きられない」
「学校に行こうとするとお腹が痛くなる」
「頭痛やめまいが多い」
「午前中はつらそうなのに、夕方になると元気になる」
「検査では異常がないと言われたけれど、本人は本当につらそう」
小学生高学年から中学生・高校生にかけては、こころもからだも大きく変化する時期です。
この時期に起こる不調の中には、起立性調節障害(OD)や過敏性腸症候群(IBS)など、思春期にみられやすい病気が関係していることがあります。
起立性調節障害とは?
起立性調節障害は、立ち上がったときに血圧や心拍、血流の調整がうまくいかず、脳や体への血流が不足しやすくなる状態です。
日本小児心身医学会では、立ちくらみ、失神、気分不良、朝の起床困難、頭痛、腹痛、動悸、午前中の不調、食欲不振などが複数みられる場合に、起立性調節障害を疑うとされています。
特に多い症状は次のようなものです。
朝起きられない
立ちくらみ、めまい
頭痛
腹痛
動悸
だるさ
食欲低下
午前中に調子が悪く、午後から少し元気になる
集中しにくい
大切なのは、本人のやる気や根性の問題ではないということです。
「起きなさい」と強く叱るだけでは解決しにくく、正しい評価と生活面のサポートが必要です。
診断では「ほかの病気が隠れていないか」も確認します
起立性調節障害が疑われる場合、症状の確認に加えて、必要に応じて新起立試験を行います。日本小児科学会の資料では、起立性調節障害の身体症状が一定数みられる患者さんに対して、午前中に新起立試験を実施し、血圧回復時間や起立中の血圧・心拍数を測定するとされています。
また、似た症状を起こす病気として、貧血、心疾患、神経疾患、甲状腺などの内分泌疾患を除外することも重要です。
過敏性腸症候群とは?
過敏性腸症候群は、検査で大きな異常が見つからないにもかかわらず、腹痛、下痢、便秘、お腹の張りなどをくり返す状態です。
日本消化器病学会の患者向けガイドでは、IBSの診断には国際的に用いられているローマⅣ基準を使用し、炎症性腸疾患などの器質的疾患がないかを確認する必要があるとされています。
思春期では、学校生活、人間関係、睡眠不足、生活リズムの乱れ、緊張やストレスが関係して症状が強くなることがあります。「気のせい」ではなく、腸と脳、自律神経が関係するからだの不調として考えることが大切です。
起立性調節障害と過敏性腸症候群は重なることがあります
たとえば、次のようなケースです。
朝起きられない
登校前に腹痛や下痢が出る
午前中は頭痛やだるさが強い
学校に行けない日が増えてきた
夕方になると元気に見えるため、家族が「本当に病気なの?」と迷う
このような場合、こころだけ、お腹だけ、自律神経だけと分けて考えるのではなく、思春期のからだ全体の不調として評価することが大切です。
家庭でできる対応
まずは、本人を責めないことが大切です。
症状が続くと、お子さん自身も「自分はだめだ」「学校に行けない自分が悪い」と感じやすくなります。
家庭では、次のような対応を意識してください。
1. 睡眠時間を見直す
厚生労働省の情報では、小学生は9〜12時間、中学生・高校生は8〜10時間の睡眠時間が目安とされています。思春期は睡眠リズムが後ろにずれやすく、夜更かしや朝の起きにくさが出やすい時期でもあります。厚生労働省の睡眠ガイドでも、朝は太陽の光を浴びる、朝食をとる、日中に体を動かす、夜ふかしを避けることがすすめられています。
2. 朝の不調を「甘え」と決めつけない
起立性調節障害では、午前中に症状が強く、午後から改善することがあります。
夕方に元気そうに見えても、朝のつらさが嘘というわけではありません。
3. 学校との連携を考える
遅刻、保健室登校、午前中の活動量の調整、体育の見学、テスト時間の配慮など、学校側の理解が助けになることがあります。医療機関で診断や状態を整理し、必要に応じて学校へ説明できる形にすることも重要です。
体重減少などがある場合は、過敏性腸症候群だけで説明せず、炎症性腸疾患など別の病気がないか確認する必要があります。日本消化器病学会の患者向けガイドでも、警告症状や危険因子がある場合には追加検査が必要になることがあると説明されています。
当院でできること
当院では、小児科と小児外科の視点から、思春期のお子さんの不調を総合的に診療します。
特に、次のようなお悩みに対応します。
朝起きられない
立ちくらみ、めまい
頭痛、だるさ
腹痛、便秘、下痢
学校に行きづらい
栄養状態や貧血が心配
思春期の体調変化について相談したい
必要に応じて、問診、診察、起立試験、血液検査、便検査などを組み合わせ、起立性調節障害、過敏性腸症候群、貧血、栄養状態、ほかの病気の可能性を確認します。
まとめ
思春期の「朝起きられない」「お腹が痛い」「だるい」「学校に行けない」は、本人の努力不足ではなく、起立性調節障害や過敏性腸症候群などの病気が関係していることがあります。小中高校生の不調は、こころとからだの両方から見ていくことが大切です。お子さんの症状が続くときは、ひとりで抱え込まず、早めにご相談ください。
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