手足口病・ヘルパンギーナが増えています
2026年7月現在、手足口病やヘルパンギーナのお子さんが増えています。
どちらも、主に夏に流行しやすいウイルス感染症で、保育園・幼稚園・学校など、子ども同士の接触が多い場所で広がりやすい病気です。
手足口病は、発熱、口の中の水疱や口内炎、手のひら・足の裏・おしりなどの発疹が特徴です。CDCでは、手足口病は5歳未満に多いものの誰でもかかる可能性があり、通常は重症ではありませんが、とても感染力が強い病気と説明されています。
ヘルパンギーナは、発熱とのどの奥の水疱・口内炎が特徴です。手足口病のように手足に発疹が出ないことも多く、「高熱とのどの痛み」「食べられない」「飲み込むと痛がる」という相談が多くみられます。
どちらも多くは自然に回復しますが、口の中が痛くて水分がとれなくなると、脱水に注意が必要です。飲めない場合は、入院になることもあります。
手足口病とヘルパンギーナの違い
手足口病とヘルパンギーナは、どちらもエンテロウイルスなどが原因となることが多い感染症です。症状が似ているため、家庭では見分けが難しいこともあります。
手足口病では、口の中の水疱や口内炎に加えて、手のひら、足の裏、足の甲、おしり、ひざ周りなどに発疹が出ることがあります。CDCでも、手足口病の主な症状として、発熱、口の痛みを伴う水疱、手足の発疹が挙げられています。
一方、ヘルパンギーナでは、のどの奥に小さな水疱や潰瘍ができ、強いのどの痛みを訴えることがあります。手足に発疹が出ない場合もあります。
ただし、実際には症状が重なることもあり、「これは手足口病か、ヘルパンギーナか」を家庭で正確に判断する必要はありません。大切なのは、発熱の経過、水分がとれているか、ぐったりしていないかを見ていくことです。
自宅でできるケアの基本
手足口病・ヘルパンギーナには、原因ウイルスを直接治す特効薬はありません。治療の中心は、発熱や痛みをやわらげながら、脱水を防いで自然回復を待つことです。
手足口病は多くの場合7〜10日で自然に改善し、治療は痛みや発熱をやわらげること、水分を十分にとることが中心とされています。
自宅では、次の点を意識してください。
1. 水分補給を最優先にする
口の中が痛いと、子どもは食事だけでなく水分も嫌がります。しかし、食事が少ないことよりも、水分がとれないことの方が問題です。
一度にたくさん飲ませようとすると嫌がることがあるため、スプーン1杯、ひと口、数分おきなど、少量ずつこまめに飲ませましょう。
おすすめの飲み物は次のようなものです。
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水
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麦茶
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経口補水液
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薄めたスポーツドリンク
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冷ましたスープ
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牛乳
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飲むヨーグルト
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ゼリー飲料
酸味の強いオレンジジュース、炭酸飲料、熱い飲み物は、口内炎にしみて嫌がることがあります。
2. 食事は「冷たい・やわらかい・しみない」が基本
手足口病やヘルパンギーナでは、のどや口の中が痛いため、いつもの食事が食べられなくなることがあります。
この時期の食事は、栄養バランスを完璧にしようとするより、まずは「痛くなく食べられるもの」を優先してください。
食べやすいものは、冷たく、やわらかく、酸味や塩味が強すぎないものです。
食べやすい食事例
主食
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冷ましたおかゆ
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雑炊を冷ましたもの
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やわらかいうどん
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そうめん
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茶碗蒸し
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パンがゆ
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やわらかい卵がゆ
うどんやそうめんは、つゆが濃いとしみることがあります。薄味にして、少し冷ましてから食べさせるのがおすすめです。
たんぱく質
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豆腐
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卵豆腐
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茶碗蒸し
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やわらかい卵料理
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白身魚のほぐし身
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鶏ひき肉のあんかけ
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ヨーグルト
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プリン
肉や魚は、パサつくと飲み込みにくくなります。あんかけにしたり、スープに入れたりすると食べやすくなります。
野菜・果物
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かぼちゃのポタージュ
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じゃがいものポタージュ
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にんじんスープ
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すりおろしりんご
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バナナ
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桃の缶詰
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ゼリー
トマト、みかん、キウイ、パイナップルなど酸味の強いものは、口内炎にしみることがあります。食べたがらないときは無理にすすめなくて大丈夫です。
おやつ・補食
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プリン
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ゼリー
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アイスクリーム
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シャーベット
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ヨーグルト
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牛乳寒天
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飲むゼリー
「ごはんを食べない」と心配になるかもしれませんが、数日間は食べられるもの中心で構いません。水分がとれていて、尿が出ていて、少しずつ元気が戻っていれば、多くは回復していきます。
避けた方がよい食べ物
口の中やのどが痛い時期は、次のようなものは避けた方がよいでしょう。
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熱いもの
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辛いもの
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酸っぱいもの
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味の濃いもの
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かたいもの
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パサパサしたもの
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せんべい、ポテトチップスなど口の中を傷つけやすいもの
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炭酸飲料
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柑橘系ジュース
食べると痛がる場合は、無理に食べさせる必要はありません。まずは水分を優先してください。
3. 熱や痛みがつらいときは解熱鎮痛薬を使う
高熱やのどの痛み、口内炎の痛みで眠れない、飲めない、食べられない場合は、医師から処方された解熱鎮痛薬を使うことで楽になることがあります。
痛みがやわらぐと、水分がとりやすくなることもあります。
ただし、薬の種類や量は年齢・体重によって異なるため、自己判断で大人用の薬を使うことは避けてください。CDCも、子どもにアスピリンを使用しないよう注意喚起しています。
4. 皮膚の発疹は清潔に保つ
手足口病では、手足やおしりに発疹や水疱が出ることがあります。
基本的には自然に治っていきます。
水疱をつぶしたり、強くこすったりする必要はありません。
入浴は、元気があり高熱でなければ可能です。石けんでやさしく洗い、タオルでこすらず押さえるように拭きましょう。
受診した方がよいサイン
次のような場合は、早めに小児科を受診してください。
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水分がほとんどとれない
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半日以上尿が出ない、尿が極端に少ない
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泣いても涙が少ない
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口の中が痛くてよだれが多い
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ぐったりしている
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呼びかけへの反応が悪い
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強い頭痛や嘔吐がある
登園・登校はいつから?
手足口病やヘルパンギーナは、症状が治った後もしばらく便などからウイルスが排出されることがあります。そのため、「発疹が完全に消えるまで」「ウイルスが完全にいなくなるまで」休むという考え方は現実的ではありません。
目安としては、
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熱がない
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食事や水分がある程度とれる
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元気があり集団生活に参加できる
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よだれが多く、口の中の痛みが強い状態ではない
という状態であれば、登園・登校を検討できます。CDCも、手足口病では、発熱がなく、クラス活動に参加でき、口の痛みによるコントロールできないよだれがなければ登園・登校が可能と説明しています。
ただし、園や学校によってルールが異なる場合があります。流行状況によっては、園・学校・自治体の指示に従ってください。
家族内感染を防ぐためにできること
手足口病やヘルパンギーナは、唾液、鼻水、便、発疹の水疱液、手指やおもちゃなどを介して広がることがあります。
家庭では、次のことを意識しましょう。
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石けんと流水で手洗いする
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おむつ交換後、トイレ後、食事前は特に手洗いする
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タオルを共有しない
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食器やコップの共有を避ける
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おもちゃ、ドアノブ、テーブルをこまめに拭く
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きょうだい同士のキスや食べ物の共有を控える
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鼻水やよだれがついたものは早めに洗う
まとめ
手足口病・ヘルパンギーナは、子どもに多い夏のウイルス感染症です。多くは自然に回復しますが、口の中やのどの痛みで水分がとれなくなると脱水に注意が必要です。
自宅では、まず水分補給を最優先にしましょう。食事は、冷たく、やわらかく、しみないものを選ぶのがポイントです。
食べられない日があっても、水分がとれていて、尿が出ていて、少しずつ元気が戻っていれば慌てすぎる必要はありません。
一方で、水分がとれない、尿が少ない、ぐったりしている、高熱が続く、強い頭痛や嘔吐がある場合は、早めに小児科を受診してください。





























