くるみ・カシューナッツ・ピーナッツなどに注意したい理由
近年、子どもの食物アレルギーの中で、ナッツ類によるアレルギーが注目されています。
以前は、子どもの食物アレルギーといえば、卵・牛乳・小麦が代表的でした。しかし最近では、くるみ、カシューナッツ、アーモンド、ピーナッツなどによるアレルギーが増えており、保育園や学校、家庭でも注意が必要になっています。
ナッツアレルギーが増えている背景
ナッツアレルギーが増えている理由の一つに、食生活の変化があります。
健康志向の高まりにより、ナッツは「体によい食品」として広く使われるようになりました。グラノーラ、チョコレート、焼き菓子、パン、プロテインバー、ドレッシング、カレー、エスニック料理など、ナッツを含む食品は以前より身近になっています。
そのため、子どもがナッツを食べる機会、あるいは知らないうちに口にする機会が増えています。
また、近年はくるみやカシューナッツによるアレルギー症例の増加も注目されており、食品表示の面でも重要性が高まっています。
ナッツアレルギーで起こる症状
ナッツアレルギーでは、食べたあと数分から数時間以内に、次のような症状が出ることがあります。
- 口の中のかゆみ、違和感
- じんましん、赤み
- まぶたや唇の腫れ
- 咳、ゼーゼー、息苦しさ
- 嘔吐、腹痛、下痢
- ぐったりする、顔色が悪い
特に、皮膚症状だけでなく、咳・息苦しさ・嘔吐・ぐったりする様子がある場合は注意が必要です。まれに、アナフィラキシーという強いアレルギー反応を起こすこともあります。
少量でも症状が出ることがあります
ナッツ類は、少量でも症状が出ることがあります。
たとえば、焼き菓子やチョコレートに少量含まれていたナッツ、調理器具や製造ラインで混入したナッツがきっかけになる場合もあります。
そのため、症状が出たことがある場合は、
「少しだけなら大丈夫」
「前は大丈夫だったから今回も大丈夫」
と自己判断しないことが大切です。
すべてのナッツを避けるべきとは限りません
ナッツといっても、くるみ、カシューナッツ、アーモンド、ピスタチオ、マカダミアナッツなど、種類はさまざまです。
あるナッツで症状が出たからといって、必ずしもすべてのナッツが食べられないとは限りません。一方で、くるみとペカンナッツ、カシューナッツとピスタチオのように、関連がある組み合わせもあります。
どの食品を避けるべきか、どこまで注意が必要かは、症状の経過や検査結果をもとに慎重に判断します。
ナッツアレルギーが心配なときの検査
ナッツアレルギーが疑われる場合、まず大切なのは詳しい問診です。
- 何を食べたか
- どのくらい食べたか
- 食べてから何分後に症状が出たか
- どんな症状だったか
- 同じ食品で繰り返しているか
- 加工食品や外食だったか
こうした情報を確認したうえで、必要に応じてアレルギー検査を行います。
当院では、状況に応じてアレナビ45+1などの検査を活用しています。
アレナビ45+1は、指先からの少量採血で、食物や吸入系アレルゲンを幅広く確認できる検査です。ナッツ類では、ピーナッツ、くるみ、アーモンド、カシューナッツなどを確認できます。
類似のアレルギー検査には、Viewアレルギー39、MASTイムノシステムズ、ドロップスクリーンなどもあります。それぞれ項目数、採血方法、結果が出るまでの流れに違いがありますが、当院では、ナッツ類を含む複数のアレルゲンを少量採血で確認できる点を重視し、アレナビ45+1を必要に応じて活用しています。
アレナビ45+1を検討する場面
アレナビ45+1は、次のような場合に検討します。
- ナッツを食べたあとに症状が出た
- どの食品が原因か分からない
- 卵・牛乳・小麦以外の食物アレルギーも気になる
- 花粉、ダニ、動物などのアレルギーも一緒に確認したい
- 腕からの採血が苦手
- アレルギー体質の傾向を把握したい
少量採血で複数の項目を確認できる点は、小児科診療において大きな利点です。
検査結果だけで除去を決めないことが大切です
アレルギー検査で陽性が出ても、必ずしも「食べてはいけない」という意味ではありません。反対に、検査値が低くても実際に症状が出ることがあります。
食物アレルギーは、検査結果だけでなく、実際の症状や食事歴を合わせて判断する必要があります。
自己判断で多くの食品を除去すると、栄養バランスが崩れたり、食事の楽しみが減ったりすることがあります。気になる食品がある場合は、医師と相談しながら確認していきましょう。
よくある質問
Q. ナッツアレルギーは子どもに増えていますか?
はい。近年、くるみ、カシューナッツ、ピーナッツなどのナッツ類によるアレルギーが注目されています。食生活の変化により、ナッツを含む食品を口にする機会が増えていることも、背景の一つと考えられます。
Q. ナッツアレルギーではどのような症状が出ますか?
口のかゆみ、じんましん、まぶたや唇の腫れ、咳、ゼーゼー、嘔吐、腹痛などが出ることがあります。息苦しさやぐったりする様子がある場合は、早めの対応が必要です。
Q. くるみアレルギーがあると、すべてのナッツを避ける必要がありますか?
必ずしもすべてのナッツを避ける必要があるとは限りません。ただし、ナッツ同士で関連がある場合もあるため、自己判断で試すのは避け、医師に相談しましょう。
Q. アレナビ45+1でナッツアレルギーは分かりますか?
アレナビ45+1では、ピーナッツ、くるみ、アーモンド、カシューナッツなどを確認できます。ただし、検査結果だけで診断するのではなく、実際の症状や食事歴と合わせて判断します。
Q. 検査で陽性なら、その食品は食べてはいけませんか?
陽性だから必ず食べられない、というわけではありません。検査結果は診断の補助です。症状の有無、食べた量、症状が出るまでの時間などを含めて総合的に判断します。
Q. ナッツを食べたあと、どのような場合に受診すべきですか?
じんましん、唇やまぶたの腫れ、咳、ゼーゼー、嘔吐、腹痛などが出た場合はご相談ください。息苦しさ、ぐったりする、顔色が悪いなどの症状がある場合は、救急で医療機関受診が必要です。






























